こんにちは!
税理士の大倉です。
夏も終わり、少しずつ涼しくなってきましたね。
1日の温度差が大きいので、
体調など崩さないように気を付けましょう!
さて今回も、前回好評だった
「よくある質問(確定申告編)」をお伝えします。
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Q 平成29年からできた「医療費控除の特例」って何? New
A 「セルフメディケーション税制」と呼ばれるものが、平成29年分から新たにできまし
た(平成33年分までの期間特例です。)。
平成29年1月1日以後に支払った、特定一般用医薬品等購入費を支払った場合に12,000円を超えた金額が医療費控除の対象となります。
計算式 20,000円(特定一般用医薬品等)―12,000円=8,000円(医療費控除の額)
医療費控除の限度額は、88,000円です。
→特定一般用医薬品等だけで12,000円を超えるたら医療費控除ができる。
Q 「特定一般用医薬品等」って何か違うの? New
A 医療用語は、難しいですね。「特定一般用医薬品等」とは、いわゆる「スイッチOTC薬」ですが、「スイッチOTC薬」って何ですよね。
もともと医療用だったのが、成分や服用方法、用量が同じままドラッグストアで買うことができる薬で1500品目以上販売されているもので、パッケージに表示されています。
こんなのがありますよ
→ガスター10(胃酸分泌抑制薬)
トランシーノ薬用ホワイトニングエッセンス(肝斑治療薬)
ロキソニンS(解熱鎮痛薬)
ボルタレンACゲル(消炎鎮痛薬) など
Q 医療費控除の特例を受けたい時・受けたい方は、いままでの確定申告と同じで領収書があればいいの? New
A もともとセルフメディケーション(健康の維持増進や疾病の予防への取組み)を目的にしたものなので、スイッチOTC薬の購入だけでは申告できません。以下の書類をそろえて申告することになります。
平成29年分の確定申告では、受けたい方の
① 平成29年中に、セルフメディケーションへの取組みを行ったことがわかる書類
→予防接種、人間ドック、メタボ健診、定期健康診断等
② スイッチOTC薬の購入金額がわかる書類
→購入した日、金額、スイッチOTC薬であること、商品名、販売店
③ 源泉徴収票
Q スイッチOTC薬25,000円と病院にかかった費用90,000円がある場合、合計115,000円で100,000円を超える15,000円の医療費控除を受けることができるの? New
A 従来の医療費控除と新しくできた医療費控除の特例は、どちらか選択となります。
この場合、病院にかかった費用は「90,000―100,000=0」で医療費控除金額0円となり
特例の「25,000―12,000=13,000」の13,000円を医療費控除の特例を選択して申告することができます。
★従来の医療費と特例を受ける医療費のどちらもある場合、どちらが有利かは税理士
にご相談ください。
Q 医療費控除の適用を受ける場合に提出する書類が変わったの? New
A 平成29年分の確定申告書から医療費等の明細書又は医療保険者等の医療費等通知書と
なりました。
医療費等の明細書とは、①月日と金額、②診療、治療を受けた者の氏名、③病院等の名称、④その他参考となる事項の記載があるものとなります。
医療費等通知書とは、各医療保険者(健康組合等)からの医療費の額が記載された通知書です。
→税務署が医療費領収書の確認事務の大変なことや保管するための保管箱・保管場所
の費用大きかったからなあ。予算がない。
Q 医療費の領収書を添付した場合、医療費控除は受けられないの? New
A 平成29年から平成31年分までの確定申告書に限り、領収書でも医療費控除できます。
ただし、平成28年分以前の確定申告書と平成29年分の確定申告書を平成30年の確定申告期に同時提出する場合、平成29年分は明細書又は通知書でOKですが、平成28年分以前の申告には領収書の添付が必要です。
平成32年分以降は、領収書での医療費控除はできなくなります。
Q 医療費はいくら以上あれば、医療費控除できるの?
A 支払った医療費等の合計金額が10万円を超えた場合の超えた金額で「(支払った医療費―保険金等で補てんされる金額)―10万円=医療費控除額」となります。
例1:1年間の医療費の支払いが15万円で、保険金等なかった場合
(150,000―0)―100,000=50,000・・・医療費控除額
ここでいう10万円というのは、総所得金額等が200万円超の者ですので、年金収入の
みで年齢65歳、収入が200万円の者の場合、10万円ではなく4万円となりますので
例2:(150,000―0)―40,000=110,000・・・医療費控除額
Q 生命保険会社から特定の疾病の宣告されたことで受け取った保険金は、医療費控除の申告する際に医療費控除にかかる補てん金として差し引かなければいけないの?
A がんと宣告されたことを保険事故として支払いを受けた保険金は、医療費の補てんを目的とする保険金に当たらないため、医療費から差し引く必要はありません。
Q 病気で入院することになり、病院の指示とおりの手続きで1日2万円部屋だったため20日で40万円の差額ベッド料金を支払った場合、医療費控除で認められるの?
A 通常の入院手続きにおいて入院し、支払った差額ベッド料金は、医師からの診療を受けるために直接必要なもので、かつ、通常必要なものに限り、医療費控除の対象となります。
よって、この場合の差額ベッド料金40万円は、医療費控除の対象となります。
しかし、自己都合で個室を使用したような場合は、通常必要なものには当たらないためこの個室の差額ベッド料金は、医療費控除の対象となりません。
Q 入院する際に必要な寝具や洗面用具などの身の回り品の購入費用は、医療費控除で認められる?
A 医療費控除の対象となりません。
寝具や洗面用具などは、入院するためには必要なものですが、医師等の診療等を受けるために直接必要なものに当たりません。同じ理由から、パジャマのクリーニング代や病室
で使用するテレビ・冷蔵庫の賃借料も医療費控除の対象となりません。
Q アトピー性皮膚炎に効果があると医師等から勧められ買った防ダニ寝具の費用は、医療費控除で認められるの?
A 医師等から勧められて購入したとしても「防ダニ寝具」は、それ自体が医療用器具等に
当たらないため、医療費控除の対象となりません。
医療費控除として認められている医療用器具等とは、『医師等による診療又は治療を受けるために直接必要な医療用器具等の購入費用』と規定されており、これについては、そ
自体が医療用器具等である場合に限られます。